tictacjintonicのブログ

万人に読まれる可能性のある個人的なメモだと認識しています

BBoyに関する私なりの言説

 久しぶりに記事を読み返したら、BBoyに関するものがあった。私なりに感じたことは、今私が考えていることとそんなに変わりなかったようだ。

 しかし、「アツい」について説明していなかったことに気が付いた。そしてたまたま最近それについて考えていたのでここに述べようと思う。

 先に結論を述べる。「アツい」とは「ギャップ」「意外性」に収斂される。

 いわゆる音ハメも意外性の中に含まれる。ただ音にあっているというだけならアツくはないが、予想できない、かつてない音ハメにオーディエンスは湧く。またアクロバットやパワームーブも同じように、ただそれだけではアツくないが、一般的なアクロバットから(例えば高さやつなぎ、難易度)から超越した時にオーディエンスは驚きと興奮を覚える。パワームーブも同様であるが、飽きの成分をもっている。なぜならアクロバットに対して使われる頻度が圧倒的に高く、個々人に生成されるパワームーブの予想の範囲が広いからである。生半可なパワームーブは変哲のないトップロックと変わりなくなってしまう。

 順番が逆になってしまったが、「ギャップ」について述べる。これはBBoyだけに限らないことだが、折角なので述べる。

 BBoyがshowcaseでよくやる、大の字から膝立ちになる動きが最も一般的でわかりやすいと思われた。大きく、次に小さく。逆も然りである。BBoy Pocketがよくやるfast-slow-fastのハローは、速度の緩急が生み出す効果の説明に適している。スピードが生む緩急はそれだけで錯覚となりムーブがはっきりと確認できなくなり、その未確認感にオーディエンスは湧くのだ。最後に位置のギャップである。前から後ろに、右から左に、下から上に、大きく動けば動くほど視覚効果で驚きが生まれる。これについては補足として、ただ単に動くのではなく体の動く方向と動きが一致しない3次元的な動きが先ほど述べた未確認感と共に驚きを生むのだと付け加えておく。

 ここに二つ「アツい」の要素を述べたが、その両方ともオーディエンスに対する驚きの提供であることがわかる。ここからわかることは、その驚きを提供する為に静なる部分の必要である。一見では意味の分からない動きを際立たせるために、高いジャンプを効果的に見せるために、普通の動き、上下のない動きが必要になってくる。

 つまり「普通と派手」もしくは「静と動」の枠組みの中に先に述べた「ギャップ」と「意外性」が含まれることになる。前提として、驚きを提供するためにはギャップや意外性だけでは不十分であり、それを演出するための素人目には意味のないようなトップロックやフットワークは驚きを演出するに不可欠で動と同じだけ重要な存在なのである。

 総論として、「アツい」とは「ギャップ」と「意外性」の生み出す驚きであり、それらは「静と動」のハーモニーによって生み出される。普通の動きも、派手な動きも同列に重要な存在である。ということを述べておく。

 

 以前も記事に書いた気がするが、Battle of the Year 2005のIchigeki Crewのshowcaseは最もアツいショーケースだと思うのでぜひ観てみてほしい。下に貼っておく。

 

 「気分いい日にこの曲 と言ってかけるトムヨーク」

 

https://www.youtube.com/watch?v=pjp-qkDuSqk