tictacjintonicのブログ

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BBOYシーンの破綻

 

 というタイトルで書くと予定していたのにガン無視していたので書こうと思う。

 BBOYシーンは、2000年代初頭に韓国の台頭とともにパワームーブスキルの目覚ましい発展が起きた。その技術競争のピークはどこか、というと、実はまだ現在に至るまでそれは訪れていない。パワームーブのインフレーションが起きている。

 自分自身の思うパワームーブの全盛期というのは2009-2011。ちょうど前の世代と新しい世代どっちも現役でやっていた時代で、目新しさと競争度においてまさに全盛期だったと思う。またパワームーブの競争も今のようにインフレやマンネリなどなかった。

 

 BBOYシーンの破綻を導くに欠かせない言葉は1つ。「ジャッジ」だ。そしてそれを説明するのに用いたい言葉は「マジョリティ」と、「クラッシュ」の二つ。

 

 「マジョリティ」というのは、大衆のウケを気にするということ。バトルやショーケースの勝敗を決めるジャッジ、及び観衆に受けることを第一に考えることで、安易に盛り上がりやすいパワームーブのインフレ・マンネリが起きてしまった。また曲も盛り上がりやすい、ウケがいい(認知度が高い)などを優先することで曲をdigることも減った。これによりBBOYに欠かせない「オリジナリティ」と「dig」がなくなってしまった。以前はパワームーブをあまりしないBBOYもたくさんいた。彼らはパワームーブをしない代わりに軟体、ストロング、縦系、スタイルなどで攻めていた。パワームーブをするのはつなぎやメリハリを出すとき、といった風であった。

 今日、どのBBOYの練習風景を見てもパワームーブだらけ。本来BBOYの必修科目は「立ち」と「フロア」そして「フリーズ」でるが、現在に至っては「パワームーブ」の一言であろう。「立ち」と「フロア」なんて凝るだけ時間の無駄だし、パワームーブは一発でバトルに勝てる可能性を秘めている。「フリーズ」はそのとき適当にやって音に合えばラッキー☆といった感じだ。

 こうなった原因には、ジャッジそのものに問題があるといえる。youtubeに上がっている動画のコメントを見ればわかるが、どっちが勝ったで荒れているものばかりだ。世界的なバトルでは実力が拮抗するので、様々な人の中で「こっちの勝ち」とわかれたりするのはしょうがないのだが、自他ともに認める「ジャッジミスだろ!」というバトルは割と少なくない。これが起きることで、勝ちに渇望しているBBOY達は勝つためにバカが見てもわかるパワームーブを習得する。それが全体のバランスを崩しインフレにつながるということである。

 

 明日もあるのに時間がもう遅いので、今日はいったんここまで。次回は続きです。